私のアイデンティティーの構成要素なんて死ぬほど単純だ。ひとりも「外国人」の血の混じることのない代々日本人の家系から、田舎とはいえ関東首都圏の片隅に生まれ育ち、両親が公務員で私という人間は国民の皆様の血税で構成され、さらに公立保育園から国立大学まですべて税金のお世話になった中の中の中流家庭の2人姉弟の長女だ。学習言語は多々あれど、母語は日本語のみ。どうしようもないほど、説明のしようがないほど、単純だ。単純、単純、と口では言いながら、捻くれた子どもを演じてみせるのは読者の皆様には耳だこだろうけれども(苦笑)
クウェートで生まれ育った、両親ともにインド人の女の子がいる。使用言語は英語。一見ペラペラと流暢そうに喋るが、文法は怪しく、アルファベットは書けるものの、スペリングは恐ろしいものがある。兄弟とも英語で話していたからおそらくヒンディー語は話さないのだろう。(話せても彼女の英語力よりは下回るということだ)アラビア語は読めると言っていたが、英語を話す奴のcanほど当てにならないものはないのは周知の事実で、私が課題で作成したアンケートは一文字も読めなかった。おそらくアラビア語のアルファベットを知っているレベルなのだろう。
さぞかし眩暈がするような複雑なアイデンティティーをお持ちなのだろう。両親の国籍とは異なる国で(その方が「いろいろと」便利だから)生まれ育ち、どの言語も読み書き含めて教育を受けたネイティヴレベルには届かないのだ。それでも文化展示会では両親の国の伝統衣装を着て写真に喜んで収まるのだ。私だったらぐつぐつ煮え立って脳が崩壊しかねない。
利便性とか有利性に抱きかかえられて生きることを選択してきたそのインド人の家族。しかも、よく英米にいる超インテリインド人ではなく、教育がないわけではないが大したことのない普通の頭のインド人。しかも生まれ見てきたのはずっとクウェートという国。卒倒しそう。
アンケートの最後で、自分の専攻を書く欄。専攻名の「Engineering」が書けなくて、苦笑しながら、私に教えてもらってやっと書いた彼女の心境はいかほどだったか。アジアから来た留学生は、自分が生まれてこの方ずっと住んでいる国の言語を学んでいて、自分よりはるかにできてしまううえに、自分が唯一頼りにしている英語ですら読み書きは適わずに教えてもらって書いている。言語「ごとき」に拘泥している私の方が幼稚だとしたら、彼女が依拠して生きるものは何なのか。
英語の方が快適だからと英語をクウェート人同士で話すクウェート人。言い換えればアラビア語が難しすぎて英語に逃げましたが、英語がネイティヴのその英語として使いこなせるわけじゃない。
どこにもぶらさがるところのない巨体が、フィトナを防止して覆っているはずの髪や身体が、意図してか、せずしてか、大きく膨れ上がり、口では「できる」ばかりで実際は「できない」ことばかりの、地球の資源をムシャムシャと食い尽くす役立たずの塊。おっと失礼、彼女らは確実に子どもをポコポコ生むのだ。ムスリム人口を増やす立派な役目。純粋な良きクウェート人を培養する大切なお役目。婚前交渉は有り得ないとしつつも、結局結婚するのは親の勧めた人で、1回や2回や(地域によっては1年近くかけるらしいけれども、一瞬会って決定の人も多数)そこらで会った人とちゃっちゃと結婚してヤッてしまうのだから、イスラム法的な裏書があるとは言え、大差ないでないの、とも言いたくもなる。
さぞかし安定していることでしょうよ、彼ら彼女らの精神性は。絶対将来結婚「できる」し。自分が他者と共同生活を営むに足り、人間を生み育てることの「できる」人間だと信じて疑わず、ぜーんぶ、オートマチック。いかに無知でもいかに協調性がなくともいかに人間としてどうしようもなくとも、自動的に必然的に不可避的に妻になり親になっていく、それを前提にすべてが動いている。孤独な現代人の悲哀とは無縁。否定的な書き方に読めるだろうが、否定など以ての外。何が人間の「本来の」姿かなんてわからない。どちらが「自然」かなんて知るわけない。どちらもそれはそれでアリだと思う。私の浅薄な理解が正しいのかどうか知らないけれども(そもそも詩とか文学とか歌に「正しい」解釈があるんですよ、と言われるとダメ人間はいつも弱ってしまうのだけれど)、彼らには常に「傘がある」ってことなのかな。
上にも下にも見ていません。尊重していなければ、どうして有用性にクウェスチョンが永遠に点滅するアラビア語に全エネルギーを傾けてしまえるだろうか。だから、すべてのムスリムにお願いしたい。異なるものたちとの間で優劣をつけないでください。で、その性質を他にも持ち込んで、知りもしない日本語を簡単すぎてどうしようもないみたいな言い方をしないでください。パトリオットに関して日頃静かに考えている私でも、細胞がどうしても反応してしまう。やりきれないけれども。
できないくせにできるなんて言うな!知りもしないくせに知ってるなんて言うな!
・・・もちろん自分に対してですよ。ええ。
Thursday, March 26, 2009
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2 comments:
Haha I did not understand a thing this time XD But language is honour, everyone should stick up to her/his native language :) And learn others; but at first, know yours perfectly :)
You seem to have perfectly understood what I wrote mainly there!
It was too late for me to have started to learn English (or other foreign lanagues) from junior high school, in order to take it up at the "same" level of my mother tongue.
I can (or I want to believe)express my 95% main idea in foreign language, but when I try to do so, I also feel the quality of my thinking is going rusted.
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