たぶん一番親しくしているポーランド院生のアダと、もう一人の日本人女子と2、3時間話しているうちに、私の「知識人ぶった」話し方に対して、sophisticatedだとかintelligentだとか褒めそやしてくれたので、私はeggheadなのだと自嘲気味に、しかしそのegg具合を愛しているし、どうしても誇りに思ってしまう・・・というニュアンスで話したら(伝わっているかどうか分からないが)、ポーランド語にも近い言葉があると言って教えてくれた。Jayoがeggで、Gtowaがhead。合わせてyayo-gtowy。発音は、ヤヨ・グオウフ。ポーランド語も、お隣のハンガリー語も難しいことで有名だが、(実際、ハンガリーからの2人の留学生のアラビア語は想像を絶している。まぁ、5年とか学んでいて、1年の留学経験があるとかという年季入りなのだが)それでも、日本語ほどとはかけ離れていないよね、と日本通の彼女と笑いあった。(彼女は私がかつて訪れたkrakow(クラクフ)の、寿司レストランでバイトしていたらしい。日本史の知識も大学で身につけたらしく、それに加えてお茶の種類も日本人顔負けに披露するものだから、どうしてまた日本という国や文化に嵌る外国人はこうも徹底的なのだろうと、他の国や文化にも果たして当てはまるのか、しかしそれでも私には土台無理な話だと、いつものように結論づけてしまう)
連日のAl-WatanやInternational Herald Tribuneからいくつか面白いトピックを紹介。
○Al-Watan的には今日の金融危機は我々には影響ない、という調子が目立つ気がする。経済のことは何も分からないのでいかんとも判断しがたいが。
○ここの空気は言うまでもなく乾燥している。どのくらい乾燥しているのかというと、ハンガーが足りなくなったために、二重に服をハンガーに重ねて部屋に干しても、4時間もあればほぼ乾く。しかもばりっばりに。普通に一着ずつかければ、2時間もあれば十分だ。なのにもかかわらず、ワンフロアーに乾燥機が3台も置いてあり(この寮は8階建て)、フル稼働しているのを見たり、ガソリンスタンドの価格表示が20円/Lなのを見たりすると、省エネとかアイドリングストップとかという概念は、あと150年は絶対に輸入されないと思うのであります。で、そんなお国のトップ記事は、湿度が高くて発電所の調子が悪い云々・・・!
○過激主義者の思想リハビリ制度が始まるそうです。もちろん目的はテロ防止とか、イスラムの価値を破壊する者に対してで。ただ、こういうのはかなり問題含みで、政治的にも政治哲学的にも、法的にも、法哲学的にも、社会学的にも・・・かなり危険な匂いがするのですが、イスラム法(Sharia)的にはOKなのでしょう。何人かの教授による報告書が数百ページに渡って提出されたということです。私もリハビリが必要かも。どうぞよろしく。
○基本的にクウェート人は豪邸に住んで、フィリピン人やエジプト人やバングラデシュ人やスリランカ人をお手伝いとして雇っています。外出するときも、そういったアジア人のお手伝いを連れて移動する姿は、一見異様でもあり滑稽でもあり。ただ、やはり、と言うべきか、こういう出稼ぎブローカーとのトラブルや、雇い主による暴力など、問題は色々あるそう。ここで言う「人権」というのは正真正銘の、何代にも渡って住んでいる、筋金入りのクウェート人のためにあるようです。こういうときはフランス人の強引さがやはり恋しくなるもので、世界はそれなりにバランスを取っているようにも思えます。
○クウェート大学学生選挙の結果は、やはりイスラム教主義者(と訳していいのかな、Islamists)が圧勝。事前の世論調査(?)ではthe Mustaqilla(Independents)が優勢だったそうですが。2位にそのMustaqillaが来て、3位にthe Democratic Circle。ただ、Independentsの勢力は年々上昇傾向にあるのは間違いないなさそう。
○Al-Watanは中東地域の情報源として読んでいるけれども、Opinion面のeditorialなんかは、教養がないというか、学問やってないというか、てんでレヴェルが低くてお話にならない。イスラム教の人にありがちな、なんていう危険なフレーズを使うことはしないけれど、「クウェートは完全な(perfect)法体系を持っている。」とか、(もう日本では流行っていないのかな)“言うよね~”という感じ。まぁ、人口300万人の、殆どが出稼ぎ労働者のこの国に、そこまでのレヴェルを求めるほうが野暮というもので、日本で同じ人口規模の自治体に新聞が作れるかというと、そういう問題ではないけれども、やはりそれなりに難しいのではないかと思ってしまう。例えば朝日なんかと比べたら、朝日なんかはあれでも色々屈折してああいうものがでてきている部分があるだろうから、イスラム系紙(と一般化することはないが)ストレートに単純でお子様で高校生の小論文みたいな調子は、無教養と呼んでも然もありなん、というのはやはりまずいのでしょうかね。
○Paul Krugmanがノーベル経済学賞でしたが、彼の人となりを彷彿させる、funnyな文章をMaureen DowdがHard-boiled eggheadsと題して、Palinについて書いていて、面白かった。
○Thomas L. Friedmanは昨今の金融危機の端を発したアメリカの経済政策等について、Americans need to get back to collaborating the old-fashioned wayと言っていて、要は、返せない奴に貸すか?みたいな、基本に戻ろうぜ、という極めて単純化すればそういうことなのだろうけれど、こういう分かりやすい言葉で言えるほど自信のある人というのはなかなかいないものだから、すっきりします。
○‘Other countries have the mafia. In Bulgaria, the mafia has the country.’(1面)と言えるほど、ブルガリアのマフィアはその名を轟かせているようだけど、日本のyakuzaは、あれはあれで誰かが結構研究していましたね。面白そうです、と言ってはいけないのかな。
○お隣もお向かいもアフリカ系なのだけれど、いかんせん廊下にまで香水の匂いが酷くて、ドアを閉めれば問題ないのだけれど、共存というのはそんなに簡単なことではないと、いつもながらに思います。
○アフリカ系仏語話者の発音が、生粋のフランス人のCDに入っているような発音に比べて、かなり聞き取りづらい。初めは何がなんだか分からない感じだったけれど、やや慣れてきた感もある。生粋のフランス人にとっても分からないらしい。安心・・・とか言ってはいけないと分かっていても、安心。
Saturday, October 18, 2008
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