法律の勉強をする気が全く起きない。そろそろ本腰入れねばと思うのだが。
何事にもやる気で満ち溢れているときと、全く何もする気が起きずただただ悲観的に脱力感ばかり漂うときとの落差が、自分は激しいほうだろうか。健康状態にもよるけれども、最近は何者にもなれないことへの恐怖が一番大きい。そういう意味での失敗は絶対したくない、という小心者のバリア感がかえって臆病にしているのは分かっていても。中途半端な嫌な人間になっていきますよ。ああ使えない。
最近、お遊び本として『二十歳のころ』(新潮文庫、2002)を読む。大物として成就する人は遅くとも高校生か20歳前後には何かしら頭角を顕しているもの。point of no returnとしてのcritical momentは、私の場合、とうに過ぎ去っているのだろうか。高木徹『大仏破壊 ビンラディン、9・11へのプレリュード』 (文春文庫、2007)の度々のpoints of no returnには寒気がした。高木徹はやはり筑附→東大目線がどこかしら強固に残っている気がしないでもないけど、切れ者だな。こういうjournalist的ポジションは本当に羨ましい。・・・最近堅い本の進みが遅い。
しばらく『二十歳~』から、いい言葉を抜粋していこう。
「世界にはいろいろ面白いものがあってびっくりします。君らも若いんだし、面白い生き方を一杯見るといいと思う。歩き回るというのが大切です。教室と自宅の行き来では新しいものは生まれてこないんじゃないかな。書籍以外に真理があるということ・・・」(pp108、水木しげる) 激しく同意。また旅に出たい。長期休みが欲しい。
有名どころですが、「わたしが一番きれいだったとき」は涙もの。私ver.で、恥ずかしいからin English. "When I was at my most beautiful, I was on the bed. When I was at my most beautiful, I was always looking down・・・"なんて。 大したことないですよ、戦争とか原爆とかを思えば。ほんと、「自分の感受性くらい」ですよ。ひとつ名作を。
もはや / Any more できあいの思想には倚りかかりたくない / I won’t lean back / On any ready-made ideology. もはや / Any moreできあいの宗教には倚りかかりたくない / I won’t lean back / On any ready-made religion. もはや / Any moreできあいの学問には倚りかかりたくない / I won’t lean back / On any ready-made knowledge. もはや /Any moreいかなる権威にも倚りかかりたくない / I won’t lean back / On authority of any kind. ながく生きて / After so long years in my life 心底学んだのはそれぐらい / Only this I have learned truly. じぶんの耳目 / My own eyes and ears, じぶんの二本足のみで立っていて / My own feet to stand on, なに不都合のことやある / What else should I need? 倚りかかるとすれば / I will lean back, それは /If I should,椅子の背もたれだけ / Only on the seatback. (http://minsai.exblog.jp/様より 『倚りかからず』1999)
「小さな娘が思ったこと」(pp144抜粋)
僭越ながら海外の友達のためにも英訳してみる。
小さな娘が思ったこと
(What a little girl thought)
ひとの奥さんの肩はなぜあんなに匂うのだろう
(Why the shoulders of someone's wife smell so much)
木犀みたいに
(like a sweet osmanthus)
くちなしみたいに
(like a gardenia)
ひとの奥さんの肩にかかる
あの淡い靄のようなものは
なんだろう?
(What is that, something like a waney haze on her shoulders?)
小さな娘は自分もそれを欲しいと思った
(The little girl thought she also wanted it)
どんなきれいな娘にもない
とても素敵な或るなにか・・・
(something wonderful, no other beautiful girls have)
小さな娘がおとなになって
(The little girl grew up to be a woman)
妻になって母になって
(to be a wife, and to be a mother)
ある日不意に気づいてしまう
(One day, she happened to realize)
ひとの奥さんの肩にふりつもる
あのやさしいものは
(that something gentle lied on the shoulders someone's wife was)
日々
ひとを愛していくための
ただの疲労であったと
(a mere fatigue in order to love someone every day)
茨木さんが仰るように、能動的に相手のすべてを愛するとは大変なこと。自分も傷つくし。疲れる。しかし・・・。それが幸福の形なのだな。私は疲れたからしばらくいいです。
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