Friday, August 8, 2008

機が熟す

4日(月)の朝日新聞で。愛しの(という形容詞をY子との間では付ける)K部先生が比較的年配の著名人に話を聞くというコーナー。今回は鷲田清一と「わかりやすさ」について。以下、まとめ。

結論が出なくても、それを延期するところがあっていい。「わかった!」というカタルシスを求めてしまうと問題設定も答えも歪む。討論や調整に時間や手間がかかるのを省き、「民意」に沿ったように見せかけるのは政治の自殺。「思考には溜めがいる」。「わからないことに耐えられない。すべてが説明できるとは限らないという苦痛をヒリヒリと感じ、息を詰めていないといけないということもある。わからないことへの感受性ををどう持ち続けるか。今、「時を駆る」時代。あらかじめやっておくとか、先を読むとか。答えを急いで出さず、問いを最後まで引き受ける。じっくり考えたり寝かせたり。機が熟すのを待つ。言葉をたどりながら、自分のなかに流れている時がじっくりと熟して、内容を腹の底から納得できるようになる。

鷲田さんは阪大総長になってしまって、一時はどうしたのかしらとも思ったけど、やっぱり偉大であります。じっくり、ゆっくり・・・そう言っていただけると助かります。

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