Saturday, August 23, 2008

Only one or No.1

「金、銀、銅という勝者にのみ与えられる輝きよりも、もっと大切で価値ある輝きが存在していると思っている。勝利をおさめられなかった人の中にも、また勝ち負けのない日常の中で一生懸命暮らしている人の中にも、どんなメダルにも負けない輝きが一人一人にあると思っています」by 桜井


GIFT


一番きれいな色ってなんだろう?
一番ひかってるものってなんだろう?
僕は探してた 最高のGIFTを
君が喜んだ姿を イメージしながら
「本当の自分」を見つけたいって言うけど
「生まれた意味」を知りたいって言うけど
僕の両手がそれを渡す時 
ふと謎が解けるといいな
受け取ってくれるかな
長い間君に渡したくて 
強く握り締めていたからもうグジャグジャになって 
色は変わり果てお世辞にもきれいとは言えないけど
「白か黒で答えろ」という 難題を突き付けられ
ぶち当たった壁の前で 僕らはまた迷っている 
迷ってるけど白と黒のその間に 
無限の色が広がってる君に似合う色探して
やさしい名前を付けたならほら一番きれいな色 
今君に贈るよ地平線の先に辿り着いても 
新しい地平線が広がるだけ「もうやめにしようか?」
自分の胸に聞くと「まだ歩き続けたい」と返事が聞こえたよ
知らぬ間に増えていった荷物も
まだなんとか背負っていけるから君の分まで持つよ 
だからそばにいてよそれだけで心は軽くなる
果てしない旅路の果てに 
「選ばれる者」とは誰?たとえ僕じゃなくたって 
それでもまだ走ってゆく 
走ってゆくよ降り注ぐ日差しがあって 
だからこそ日陰もあってその全てが意味を持って 
互いを讃えているのならもうどんな場所にいても 
光を感じれるよ今君に贈るよ 
気に入るかな? 
受け取ってよ 
君とだから探せたよ 
僕の方こそありがとう
一番きれいな色ってなんだろう?
一番ひかってるものってなんだろう?僕は抱きしめる 
君がくれたGIFTをいつまでも胸の奥で 
ほらひかってるんだよひかり続けんだよ

・・・だそうです。NHKのオリンピックのテーマ曲になっているもんだから、自然と耳に入る今日この頃です。私はミスチルのファンでもなんでもないし、この曲も超感動というわけではないのだけれど、まぁいいかな、と。言っていることはいいことです。ただ、違和感を感じるのは、この曲を聴いた人が「自分で」「自分のことを」肯定すること。GIFTを与えられるということは相手が存在するということで、既にその人は存在承認を得ているわけで、人生に悩む必要もないわけで、それでonly oneなのだと勇気付けられるのも結構なのだが、私個人の意見としては、私は一生自分が「どんなメダルにも負けない輝き」を持っているなんて自分で思ってはいけないと思っているし、思ったらそこで試合終了(その程度)のような気がする。皆さんは持っているんですよ、とあくまでも他者に対して言えばいい。皆さんがそう思うのも全く否定しない。しかしながら、なかなかそういう人とお友達には私はなりにくいだろうな。

ゆとり教育の延長でしょうか、不景気だとonly one論が流行るんでしょうか。それとも、この曲で涙の出ない自分は終わっちゃってるんでしょうかね。

それにしても、自分でonly oneだなんて公言するとか、慰められて涙するって・・・。ついていけないな。自分はonly oneでもNo.1でもなんでもない。そんな大それた立派な人間じゃない。あなたはそうだろうけど。私は凡人。というスタンスは崩せないかな。存在論と一緒ですが。

追記:桜井さんの言葉を表面通りに受け取ると、金、銀、銅の勝者<一般人という図式になる。これは近年の医者、弁護士、教師、官僚といった、人生の「勝者」に対する、無慈悲なまでものバッシングに象徴されるルサンチマンにも通ずるのではないかと思う。only oneの人は大体No.1であって、No.1である人もほとんどOnly oneである事実。もう一度強調するけど、他者に対して肯定することはいいんだ。自分でOnly oneだって慰めちゃってるのがイタいんだ。

少し話は逸れるが、この過剰なまでの個性礼賛が暴走万葉仮名系のDQNネームの増産等につながっていくのだな。個性なんてものはどんなに枠に嵌めても、溢れ出るもののはずだが。私は自分の子供に「美」なんて付けない・・・。

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