Monday, August 18, 2008

反知性主義の行く末

From You Tube, Americans are NOT stupid- with subtitles, (http://jp.youtube.com/watch?v=fJuNgBkloFE)

読んでいないけれど、暇になったらそのうち。Rick Shenkman, Just How Stupid Are We?: Facing the Truth about the American Voter, Basic Books,2008

これに対して内田樹がhttp://blog.tatsuru.com/2008/07/17_1107.phpと。

日本で同じようにやってみても大差ないだろうと思う。「教養」とやらからは程遠いうちの母親なども、イラクの場所なんて、ましてや私がこれから行くクウェートの場所だって知らない。知らなくてもなんの問題もないのである。問題は、それが日本の一市民なのか、アメリカの有権者なのかということ。世界に大きな影響を与えるアメリカの大統領を選ぶ有権者がstupidで良いのか、アメリカ市民でない自分が関わることのできないアメリカの大統領選挙で選出された大統領によって、自分の頭上に爆弾が落ちて来るという民主主義の構造的欠陥にいかに対処できるのか。まさしくdemo-cracyであるゆえんの真髄。

内田氏は「今の日本社会では「知性的にならない」ことに若者たちは知的エネルギーを集中している。無知は情報の欠如のことではなく、(放っておくと入ってきてしまう)情報を網羅的に排除する間断なき努力の成果である。「知性的になってはならない」という努力を80年代から日本は国策として遂行してきたわけであるから、これはスペクタキュラーな「成功」なのである。だから、私たちが学生に与えるべきなのは知識や情報ではなく、「知性的な人間になっても決してそれで罰を受けることはないんだよ」という保証の言葉なのである。」と。

「おバカキャラ」がウケる今日この頃。アメリカとはまた違う「反知性主義」?Richard Hofstadter, Anti-intellectualism in American Life,1963 あたりも。

知ること、理解することに努めている(と自覚している、認識している)人よりも、その不可能性に挑むこともなく放棄している彼らのほうが、知に対して傲慢ではないのかも知れない・・・と、ここでもmodestを気取って言ってみても、やはり「次アメリカが攻撃すべき国は?」という問いに対して、笑顔で「あのー、よく分からないけど、頭にターバン巻いているような人たちの?」「フランスだ、フランスとアメリカの関係は最近よくない」などとはしゃげるのには、また別の細胞が必要になるのかも知れないと思ってしまう。

知の海に溺れまいと、ああだこうだと並べ立て、泳ぐにも独自の泳法を編み出したいんだ、クロールは確かに速いけど、それじゃあ嫌なんだと、がむしゃらなのは実に格好悪いことかな。浮いていればいいのかもしれない。浮いたこともないくせに、泳いでいこうなんて、あさましいのはどちらだろう。・・・とまた、どこに結局帰ってくるか分かりやすいような問いを立てて、自己満足に浸るのもいい加減にしたほうがいいだろうに。

(やや脱線的補足:educatedな人かどうかを外国人で見極めるのは難しいといつも思う。)

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