Wednesday, August 27, 2008

拉致に見るNGO論

アフガンで活動中のNGO「ペシャワール会」の日本人スタッフが拉致されたとのこと。ネット上のコメントでは、自己責任だ、そんな奴の救出に税金を使うな・・・というよくある「自己責任論」が出てきていて、しかし今回の場合は有名なNGOということもあってか、それが履き違えた議論だということは大方の人が分かるらしく「自己責任論」が追放される形となっている。

学者にせよ、ジャーナリストにせよ、コラムニストにせよ、globalizationを論じる際に必ずと言っていいほどNGOやNPOの存在をあたかも逃げ口上のようにして、それで締めればまとまるかのように錯覚しているのではないかと、私は常々疑問が拭えないでいる。一般人も、「ペシャワールの会」のように“良いNGO”と初期のイラクで拉致された人の“悪いNGO”とまるで区別しているかのようだが、(イラクとアフガンでは状況や条件が異なるという側面は置いておく)実にNGOと言っても様々。

おそらく、NGOの活動内容に価値判断はしない、そういう「結社」や「団体」が活動するスペースが確保されているという状況が重要視されるべきものなのだ、というスタンスがやはり無難なのだと私自身も思う。ただ、それでも、存在を認めながらも、自らに都合の悪い(己の信条に反する)movementsを遂行するNGOに対して、分かったかのような顔をして、「そういうNGOも必要ですからね」と知ったようなことを言って目を背け、「何がなされているのか」という一種の危うさを直視しないのは、逃げだし、ずるいと思う。・・・これは私のこと。いちいち直視なんてしていたら身が持たない。何でもそうだけど、movementとかactivityというのは特に色合いが微妙で、「非政府」とか「非営利」なんていう美名がますます判断を難しくする。集団というのは容易にセクト化するし、初めからそうであるのもある。globalizationを補完する、なんて綺麗には言い切れないはずなんだ。

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